マンションでEVを所有することの不安と実際

こんにちは、なんと約10年ぶりのブログ記事です。この記事は私が住んでいるマンションのホームページに寄稿したものを転載したものです。元記事では具体的なマンション名を記載していましたが本記事では「当マンション」としています。また、「皆さん」のような呼びかけはマンションの住民に対する呼びかけになります。

そもそも本記事は、私が住んでいるマンションのEV充電設備を導入したいと考え、マンションの理事会経由でEV充電設備設置に関するアンケートを取ったところ、EVについて誤解している方が多かったことからEVのことを知っていただこうとして寄稿したものです。私自身誤解しているかもしれませんが、その場合はコメントでご指摘いただけると幸いです。


自分は今年の2月のはじめにテスラ社のモデル3という車を注文し、3月の終わりに納車されました。この車は電気エネルギーのみで走行する、いわゆる「EV」(Electric Vehicle、電気自動車)です。電気エネルギーはバッテリーに格納するためBEVとも呼ばれます。EVは窒素酸化物などの有害物質からなる排気ガスを出さないのでZEV(Zero Emission Vehicle、無公害車)にも分類されます。

世界のEV販売は2021年にハイブリッド車の310万台を上回る460万台を売り上げましたが(日経新聞2022/4/13記事「EV世界販売、HV超え」より)、日本では同年2万台(新車の0.5%)しか販売されておらず、皆さんはEVには馴染みがないものと思います。

本稿ではEVを買ってどうだったか?特に当マンションのような充電設備がないマンションでEVを所有するとどうなるか?についてお伝えできればと思います。

目次

  1. EV購入の動機
  2. EV購入に当たっての不安
  3. EVについて理解できていなかったこと
  4. 不安だったことはどう解消したか
  5. 最新の車はこんな感じ
  6. おわりに

1. EV購入の動機

私はIT業界に長年いることもあり、新しい技術に興味があり、車に関しては高度運転支援システム(ADAS, Advanced Driving Assistance Systems)や自動運転システムに興味を持っていました。例えば日産のプロパイロットにも興味があり、プロパイロット1の時から、試乗車やレンタカーで実際に自動運転を試していました。

現在のプロパイロット2はかなり進化しているらしいのですが、私が2018年に試したプロパイロット1は、高速道路でレーンを仕切る線が薄くなったりしているとレーンをはみ出してしまい、その後に「自動運転が継続できません」のようなメッセージを出してきたりして、とても命をあずけられるようには感じられませんでした。

一方、米国のベンチャー企業であるテスラ社は早期から自動運転について積極的であり、ある時期「現在テスラが販売している車はすべて将来的に完全自動運転ができるようにする」と宣言しました。要するにスマホのアップデートのように車のソフトウェアをアップデートすることで自動運転を提供すると約束したわけです。そのためのカメラやレーダーはすでに搭載しており、あとはソフトウェアだけの問題だと説明したわけですね。2016年ごろのことだったと思います。(https://blog.evsmart.net/ev-news/tesla-autopilot-2-0/)

このような約束をしてくれるならテスラ車を買いたいと思いました。それから5年以上が経ちましたが同様の約束をしてくれる自動車メーカーは他には出てこず、冒頭でお話したとおりテスラ車の購入に至りました。

Tesla Model 3 (tesla.com より)

つまり、自分にとってはEVであることはどちらかというとオマケであり「テスラの車が欲しい」のがメインでした。そして「テスラはEVしか作っていなかった」わけです。

2. EV購入に当たっての不安

誰でも今まで経験していなかったことをやろうというときには不安になるものと思います。自分もEVを購入するに当たって色々不安がありました。テスラに興味を持ってからEVについてもネットで色々記事を読みましたが、実際に所有するまでに感じた不安は以下がありました。

  • 充電の手間が大変なのではないか?
  • 車に乗っていないと自然放電してしまうのではないか?
  • 高速道路ではみるみる電気が減っていくのではないか?
  • バッテリーが劣化してしまうのではないか?
  • 車でスキーに行ったら戻ってこれないのではないか?

みなさんもスマホの充電にそれなりに時間がかかることを経験されていると思いますので電気で走る車のバッテリーを充電するのはそれなりの時間がかかるものと想像できるものと思います。この点がガソリンスタンドでササッと給油できるエンジン車と異なり「EVは充電に時間がかかり不便」「充電時間の抜本的な短縮がなければ実用にならない」などのネット記事を見かける要因になってます。

なお、EVの加速性能や車の取り扱いやすさについては、何回か試乗していましたのでまったく不安はありませんでした。テスラ車の前はトヨタのマークXの3500cc(318ps/38.7kgm)に乗っており、この車の動力性能は実に素晴らしかったのですが、テスラ車もまったくひけをとらず、むしろ大幅に上回ってることは何回かの試乗を通して体感していました。

不安はあったものの、「まあ自分が人柱になれば良い」と思い購入に踏み切りました。

以下ではガソリン車とディーゼル車をあわせて「エンジン車」とします。車の雑誌ではICE車(Internal combustion engine車、つまり内燃機関車)との表現を見かけますが、馴染まない用語で私もなかなか慣れません。

3. EVについて理解できていなかったこと

自分が購入前に感じていた不安は、結論から言うと実際にはほとんど問題はありませんでした。スキーの件はまだテスラ車でスキーに行ったことがないので不安が残っていますが、新潟の湯沢付近であれば無充電で往復できると思いますし、もしできないとしても湯沢の近辺で30分ほど充電すれば大丈夫だろうと思ってます。

それぞれがどのように大丈夫だったのかを説明する前に、自分がEVを所有するまで正しく理解していなかったことをまずは皆さんにお伝えしたいと思います。

EVの充電の基本

まず、自分はEVの充電の基本を認識しておりませんでした。

EVは自宅で寝ている間に低い電圧で行う「基礎充電」が基本となります。「低い電圧」というのは200Vのことで、この電圧は皆さんのリビングのエアコンのコンセントの電圧と一緒です。単相交流200Vを用いたEVの充電を「普通充電」と言います。電力は3~9.6kWです。車で職場に通っており職場にEV充電器がある場合は職場で普通充電するのも「基礎充電」となります。

基礎充電の様子 (https://lowcarb.style/2021/07/11/wall-connector/ より)

それに対して400V以上の直流を用いて高い電力で行う充電を「急速充電」といいます。電力は10kW以上で、50kWのものをよく見かけます。現状国内で最大電力で急速充電するのはテスラの250kWのスーパーチャージャーです。急速充電は常用せず、遠出するなどで航続距離以上の距離を走行する際の「経路充電」用として利用するのが本来の利用方法です。

車のエネルギー充填のパラダイムシフト

つまり、EVに対するエネルギー充填は通常は帰宅してから翌日出発するまでの間に行うものなのです。このことを自分はまったく理解していませんでした。

これは実は自動車のパラダイムシフトが起こることを示しています。つまり、EVでは自宅で充電して翌朝には満充電(もしくはバッテリー保護のため満充電の80〜90%)となっているので、ガソリンスタンドのような場所にでかけていって充電する必要はなくなります。自宅や職場以外でEVを充電するのは、EVの航続距離を超えて走行する場合に限られることになります。

ところで、私が購入したテスラモデル3はロングレンジというクラスなのですが、「国土交通省審査値」(WLTCモード)で689kmの航続距離があります。ちなみにこの値は眉唾でそもそも満充電したときに画面に表示される航続距離は574km程度です。90%充電で516km前後です。(最近発表された日産のサクラは航続距離が180kmと言われていますがやはりWLTCモードでの数字ですので実際は150kmぐらいでしょうか)。

つまり、朝車ででかけて家に戻るまでにこれだけの距離を走らないのであれば外で充電する必要はないのです。EVというのはそういう乗り物であることに、EVを買うまで気が付きませんでした。

EVではエネルギー充填の基本が「寝ている間の基礎充電」であることに気がつくと、「エンジン車のようにエネルギー充填を5分程度でおこなう」必要性がそれほど大きくないことに気がついてきます。「EVは5分で満充電が行えない限り実用にはならない」という批評を見かけますが、これは従来のエンジン車の習慣にとらわれた視点での物言いになります。

それとなくこのパラダイムシフトについて触れているCM
このパラダイムシフトをまあまあ主張しているCM

EVと同様ZEVに分類される車として水素燃料電池車(FCV)がありますが、水素燃料電池車にはこのパラダイムシフトはありません。むしろ充電時間がかかるEVに対する解決策として考案されたものであり、従来のエンジン車の習慣にとらわれて設計開発されたように感じます。

そもそも充電の仕方が分からなかった

これは今となっては造作もなくなりましたが、そもそも「EVの充電ってどうやるんだろう?」との不安がありました。しかしこれは実際にやってみるとすぐに慣れます。

テスラ車をテスラスーパーチャージャーで充電するのが一番手軽で、充電プラグを車の充電口に差し込むだけで充電や支払いの処理が自動で行われます。

テスラ以外だとカードをEV充電器にかざして認証させるなどしてから充電プラグを差し充電します。

無料充電器であればEV充電器の画面で多少の操作をして充電プラグを車の充電口に差し込むことになります。

なお、急速充電器と普通充電器では充電口や充電プラグの形が違います。以下はリーフの充電口の写真ですが、左が急速充電用のCHAdeMOの口、右が普通充電用のSAE J1772の口となります。

急速充電と普通充電の充電口 (https://ysfc.weblogs.jp/chronofile/2011/01/chademo.html より)

テスラ車では独自規格の充電口となっており、急速充電でも普通充電でもCHAdeMOもしくはJ1772用のアダプターを介して同じ充電口から給電します。

セルフでガソリンを入れる際にはあらかじめ体の静電気を放電させておかないと引火や爆発の危険がありますが、EV充電ではそのような危険はありません。車との間で接続確認をしてから電圧がかかりますので感電の危険もありません。また、手がガソリン臭くなることもありません。

充電口の形状の違いや充電プラグの重さの違いなどはEVを所有して初めて実感するようになりました。CHAdeMOの充電プラグはJ1772やテスラの充電プラグと比べるとずいぶん重いです。

EVのバッテリー容量と走行距離

EVを実際に所有する前は航続距離のことしか気にしていませんでしたが、所有してからはEVに搭載されているバッテリー容量を意識するようになりました。テスラは公表していませんが私が購入したモデル3ロングレンジは82kWhのバッテリーを搭載していると言われています。

日産のリーフは40kWhもしくは60kWhです。日産の軽EVのサクラは20kWhです。日産アリアは66kWhもしくは91kWhです。91kWhはすごいですね。

そして車種や天候などの各種条件によりますがEVは1kWh当たりおおむね6〜7km走ります。

この「1kWh当たり6〜7km」という数字は実際にEVを所有するまで認識していませんでした。こういう数値感はEVを持たないと興味も出てこない値なのではないかと思います。逆に実際に所有すると自然と覚えてしまう数字かもしれません。

急速充電器の電力の違い

さて、自分のテスラ車はバッテリー容量が82kWhですので、日本で多く見られる50kWの急速充電器ではバッテリーが空の状態から満充電にするには1時間では足りないことになります。当マンションには普通充電器がなく外で充電しなければなりませんので自然とこういう計算をしなければならなくなります。

道の駅にも結構急速充電器が設置してありますが、道の駅の場合は50kWの充電器よりも30kWとか20kWの充電器が多く設置されています。「急速」充電とは言え20kWの充電器だと50kWの充電器で充電した場合と同じ時間をかけても半分以下しか充電できません。考えてみれば当然ですがそういうこともEVを所有する前はあまり理解していませんでした。

余談ですが、後述する「エコQ電カード」で充電すると、急速充電器の電力によらず30分で550円(税込)かかります。20kWとか30kWとかの充電器で充電するのは割高ということになります。

近所の充電ステーション

当マンションにはEV充電器がありませんのでどこかで充電してこなければなりません。当マンションの最寄りのEV充電ステーションは当マンションから徒歩5分ぐらいのところにあるコインランドリー(Mr.ランドリー国立店)です。EVを所有する前は「EV買ったらここで充電すればいいかな?」と思ってましたが、実際にはここで充電したのは1回しかありません。その理由は、Mr.ランドリーのEV充電器は3kWの普通充電器であり、かつ30分あたり100円課金するためです(税込)。3kWhの電気代は1kWh当たり26円で計算すると78円ですので、Mr.ランドリーで1時間の充電に200円かかるのはかなり割高です。

自分が主に利用しているのはIKEA立川の急速充電器です。IKEA立川では1回当たり1時間まで充電できる50kWの無料急速充電器が設置されています。IKEAでは食事もできますし、ネット環境も整っており、充電待ちで退屈することもありません。

IKEA立川の無料急速充電器(50kW)で充電している様子

IKEA立川以外にも当マンション周辺で無料でEVを充電できるところはたくさんあります。下記のマップのスポットはすべて無料EV充電器が設置してある場所で黄色が急速充電器、緑が普通充電器、赤がテスラ用普通充電器です。こういったEV充電器のマップはGoGoEVEVSmartで確認することができます。

当マンション周辺で無料で充電できるEV充電ステーション (GoGoEVより)

IKEA立川以外に武蔵村山市役所や道の駅八王子滝山にも50kWの無料急速充電器があります。ただしそれらの急速充電器の利用は30分以内に制限されています。30分以内と言っても最大25kWh分充電できますので、航続距離にして150〜175km分を無料で充電できます。

立川の北口第一駐車場1Fやパークアベニュー駐車場6F、グリーンスプリングスの半地下の駐車場、ららぽーと立川立飛のP4平面駐車場、府中のTIMES大國魂神社駐車場は駐車料金はかかりますが3~6kWの普通充電器が無料で使えます。立川や府中に往復して十分お釣りが来るくらいの30km走行分ぐらいを買い物中に充電できます(計算式は3~6kW x 6~7km/kWh x 2h = 36~82km)。なお、提携しているお店で買い物をすれば駐車料金は1〜2時間分は無料となります。

国立市役所の駐車場には200VのEV用コンセントが設置されており、これも無料です。しかし残念ながら私のモデル3では「接地不足」とのエラーが出て充電できませんでした。このエラーは国立市役所のEVコンセントでしか経験しておらず、市役所に問い合わせ中ですが、そもそも無料で提供されているEV充電コンセントですので改善を求めるのも気が引けるところです。

国立市役所の駐車場の外には50kWの急速充電器があり、こちらは以前は無料だったようですが今は有料です。有料とは言え例えば「エコQ電カード」で充電すると30分当たり550円(税込)で充電できます。50kWの充電器で30分充電すると最大25kWhほど充電できますが、25kWhの電気代は650円ですので、電気代的には割安で充電できます。当マンションから学園通りを立川方面に車で5分ほど走って左側にある立川合同庁舎にも50kWの急速充電器がありほぼ同じ料金で充電できます(10分当たり税込165円で30分だと495円)。

当マンション周辺のEV充電ステーションをリストアップしましたが、ガソリンスタンドと比べてEV充電ステーションは目立ちませんし、実際にEVを所有して充電しない限りどこにEV充電ステーションがあるかは分からないのではないでしょうか。

充電待ちがあるということ

さて、私は主にIKEA立川で充電していますが、5割以上の確率ですでに誰かが充電しています。無料で結構な電力量を充電させてくれるところは充電待ちになることが多いんだろうと思います。IKEA立川では残念ながら「順番待ち」の制度がありませんので、EV充電器の画面で残り時間を確認して、充電が終わった頃に戻ってきて無事空いていれば充電するということになります。

戻ってきてみると充電が終わっているのにそのまま駐車している車両も結構います。こうなるとあとどのくらい待てばよいか分からない状態になります。

戻ってくるとすでに他の車両が充電を始めていることもあります。そうするとさらに1時間弱の待ちになるのであきらめます。

こういう「充電待ち」があるということもEVを所有するまでは知りませんでした。基本的には無料で充電させてくれる急速充電器は埋まっていることが多いと思ったほうが良いと思います。道の駅八王子滝山や武蔵村山市役所の急速充電器も埋まってることが多いです。道の駅八王子滝山では充電順番待ちカードがありますので、埋まっていてもIKEA立川ほど深刻ではありません。

現状のEV普及度でこの状態ですので、EVが普及してくるとさらに事態は悪くなっていくんでしょうね。

一方、立川合同庁舎や国立市役所外の有料の急速充電器は今のところたいていあいてます。

ところでテスラ車の場合は全国40箇所以上のスーパーチャージャーと呼ばれる充電ステーションが利用できます。スーパーチャージャーは1箇所に概ね6基以上のEV充電器が設置されており、出力は120〜250kWとかなりの高出力です。私は120kWの仙台のスーパーチャージャーをよく利用しますが、国立から仙台までの走行分の400km分の電力をスーパーチャージャーでは45分ほどで充電できます。充電代は1400円ほどです。仙台スーパーチャージャーはロイヤルパークホテルというホテルの地下駐車場に設置してありますが、ホテルの隣にはモールがあり私は主に夕食がてら充電をしに行ってます。なお、駐車料金は無料です。

さてこのスーパーチャージャーですが、テスラはなかなかおもしろい仕組みを組み入れてます。

スーパーチャージャーで充電すると、充電が終了し5分経つとそこからペナルティ料金が1分毎に発生します。これによって、充電を終了した車は早く充電プラグを抜かないとどんどんペナルティ料金が課せられる事になります。そのおかげかスーパーチャージャーで充電が終わってるのに放置してある車両を見たことはありません。そもそも充電が終了するおよそ10分前にはテスラアプリから「そろそろ充電が終わりますので準備してください」との通知も来ます。

木更津スーパーチャージャーを利用している様子

テスラはある時期からこの仕組を入れたようですが、日本で普及している急速充電器であるCHAdeMOでもこういう仕組みが入ると良いですね。

こういう仕組みを提供しているEV充電器があることも、もちろんEVを所有するまで知りませんでした。

燃費(走行距離に対するコスト)

自分がEVを買う前に乗っていた3.5L車は燃費が7.6km/Lでそもそも自分は燃費については気にしていなかったのですが、実際にEVを所有して色々な知識がつくと、1kWhで6〜7km走ることがわかってきて走行距離に対するコストを意識するようになりました。

ラフに計算すると1km走るためのコストは、燃費が悪かった3.5LのマークXでハイオク1Lで7.6km。逆算すると1kmあたりハイオク1/7.6Lで、1Lが170円とすると1km走行するのに22.4円かかります。

最近のハイブリッド車を代表して「プリウスの実燃費はどのくらい?プリウスの魅力もご紹介!」というサイトの数字を拝借するとリッター21.4kmとあります。レギュラーガソリンが1L=160円とすると、1kmあたり160/21.4=7.5円と言ったところです。

そしてEVです。1kWhが26円、1kWで7km走れると計算すると1kmあたり3.7円となります。ちょうどプリウスの半額程度ですね。

実際にはタダで充電することも多いですし、国立市役所や立川合同庁舎では1kWh=22円ぐらいで充電できますので走行距離あたりのコストはさらに下がります。

こういう走行距離当たりのコストももちろん認識していませんでした。なにしろ自動運転にしか目が行ってませんでしたので。

充電カードの必要性

以前三菱のアウトランダーというプラグインハイブリッド車(PHV)を一泊試乗した際に「このカードをお貸ししますので充電も体験してみてください」と言われ、いわゆる「充電カード」も一緒にお借りしました。

その際に調べたところ、日産でも充電カードがあり、月2千円ぐらいで充電し放題になるといった感じでした。

一方自分はそれほど車に乗らないのでこの手の固定費が毎月かかるのはどうかな?と思ってました。

今や「月2千円で充電し放題」のような太っ腹なサービスはなくなり、この手の「充電カード」を契約して急速充電器をそこそこの充電単価で使おうとするとおおむね4千円前後の月額会費を支払う必要があります。その上で月額会費の範囲内で追加支払い無しで充電できる量の上限があったり、そもそも会費とは別に充電量に応じた課金がなされたりします。(EV充電カード比較は例えばこちら、改めて見てみるとトヨタの「EV・PHV 充電サポート」の月額無料プランも悪くないですね。トヨタ車ユーザーしか契約できませんが)。

この手の「充電カード」が必要になるかどうかも、EVを買う前は分かっていませんでした。

結論としては、自分はこの手の月額会費がかかるカードは一枚も所有していません。初期発行手数料2,200円(税込)だけで月額会費がかからない「エコQ電カード」は作りました。他にはイオンやイトーヨーカドーほかでEV充電をするのに必要な「WAONカード」「nanacoカード」「TOYOTA WALLET」もスマホ上に作りました。エコQ電カード以外はEV充電専用ではなく、要するに電子マネーカードであり月額会費はありません。

イオンではWAONカードで支払えば50kWの急速充電器が30分300円(税込)で利用できますので、国立市役所外や立川合同庁舎に輪をかけて安いです。当マンションの近くのイオンはイオン武蔵村山・イオン多摩平とちょっと遠いのが残念なところです。

イトーヨーカドーでは3kWの普通充電器がnanacoカードで利用できます。料金は1時間当たり120円(税込)で電気代的にはちょっと割高です(電気代の計算式は3kW x 1h x 26円/kWh = 76円)。当マンションの近くだと武蔵小金井でこちらも遠いですね。

当マンションから北に向かい線路を渡ったところにあるオリンピック国立店には3kWの普通充電器が設置されてますが、支払いにはTOYOTA WALLETが必要です。しかも充電代は1回440円(税込)と、普通充電器としては恐ろしく高額です。とは言え、地方のホテルのEV充電器はTOYOTA WALLETしか受け付けないものもありTOYOTA WALLETは無料で作れますので作っておくに越したことはないものと思います。

この手の充電カードの知識ももちろんEVを所有してから獲得しました。

冷房より暖房のほうが電力を消費する

エンジン車はエンジンが熱を発し、それを暖房として流用するので暖房するのに追加でエネルギーを使う必要はないんですね。逆に言うとエンジンというのは動力を取り出すときに多大な熱を発するわけでエネルギー効率が悪いとも言えるでしょう。

一方、EVではモーターやバッテリーが熱を持つことがありますが暖房には不十分で、別途電力を使う必要があります。

そして、車内空間全体を暖めようと思うと結構な電力を消費するようです。したがって、EVの多くにはシートヒーターやハンドルヒーターのような、直接人体を温めるしくみが備わっており、空間暖房も搭乗者がいるところだけスポットで行われるようになってたりします。

近所に出かけるだけなら好きなだけ暖房を使えば良いと思いますが、例えば冬に仙台まで無充電で走りたいときやスキーに行きたいときに暖房の電力消費量が気になってくるんだと思います。

一方冷房はそれほど電力を消費しないようです。冷房を使わずに窓を開けて涼しくしようとすると、空気抵抗が増えてむしろ全体の電力消費量が増えてしまうようで、窓を開けるなら冷房を使った方が良いようです。

メンテナンスが少ない

EVはエンジンがないのでエンジンオイルがないんですよ。だからオイルが汚れているか調べるとか、オイルやオイルフィルターの交換という手間がかかりません。こういうこともEVを所有するまでは気が付きませんでした。

あと、減速はアクセルペダルを戻すのが主でブレーキペダルはほとんど踏みませんのでブレーキパッドも減らないようです。

ウィンドウォッシャー液は普通に減りますので適宜足さなければなりません。タイヤの溝も当然減ります。

法定点検や車検も点検項目が少ないようです。実際どのくらい費用が下がるのか楽しみです。

助成金が出る

EVは走行中にCO2が発生しないことから新車購入に当たり国交省および東京都から助成金が出ます(CEV助成金およびクールネット東京助成金)。年度や100V/1500Wのコンセントの有無にもよりますが合計で100万円前後出ます。

また、EVはエコカー減税の対象で「環境性能割」が非課税となり、新車新規検査および初回継続検査時に納付する「自動車重量税」は免税です。グリーン化特例により、翌年度の「自動車税」も減税されます。

東京都立の公園の多くの駐車場では、EVは1時間分が無料になります。その他東京都は低公害車の駐車料金の割引を行っています

こういうお得な話もEV所有者のフォーラム等に参加するまで認識しておりませんでした。

富士スバルライン

これはオマケですが、富士スバルラインは夏にはマイカー規制というのが実施され、マイカーの人はバスに乗り換えないと5合目まで行けないのですが、EVなら行けます。EV以外にもZEVである水素燃料電池車(FCV)も行けます。つまりEVやFCVは植物に悪い影響を与える排気ガスを排出しないので行けるということです。

さらに余談ですが、EVが富士スバルラインを通れるようになったのは、テスラオーナーズクラブの会員である中村壽継氏が富士スバルラインにはたらきかけて2017年から通れるようになったとのことです。今年の6月に開催されたテスラオーナーズクラブ全国ミーティングで同氏が語っていました。

4. 不安だったことはどう解消したか

では不安だったことはどう解消したのでしょうか?以下ではそれらについてお話したいと思います。

充電の手間が大変なのではないか?

これは正確には「やっぱりどこかにでかけて充電しなければならないのは大変」です。これが大変じゃなくなるには考え方を変えていかなければなりません。

まずは「帰宅したら毎日寝てる間に充電」は当マンションにはEV充電器がありませんのでできません。私は基本的にはIKEAの無料急速充電器で充電しています。IKEAのEV充電器は50kWで1回あたり1時間まで利用できますので航続距離にして350km分の充電が可能です。私のテスラモデル3は90%充電で516kmほど航続距離がありますので、残航続距離が166kmであればIKEAで1時間充電することで90%まで回復することができます。

実際にはそこまでバッテリーが減る前に、長距離走りたくなることが多いですので、その数日前にIKEAで充電しています。

IKEAでは充電完了待ちが苦にはなりません。これを「苦にはならない」と感じるかどうかがミソだと思いますが、IKEAの商品をブラブラ見ても良いですし、IKEAのレストランで何かを食べたり飲んだりしても良いですし、そもそもIKEAはネット環境が整備されていますのでノートPCなどを持ち込んでネットを見てるのも良いと思います。私は120円のドリンクバーを買ってネットを見て過ごしています。

また、前出の無料充電マップで示しましたが、小一時間あしを伸ばすと無料で急速充電できるスポットが結構あります。例えば檜原村都民の森であるとか愛川ソーラーパーク、神代植物公園、井の頭恩賜公園などです。自分は出不精なのですが、こういう無料急速充電スポットめぐりをするのも視野が変わって良いかもしれない、と思うようになりました。

檜原都民の森の無料急速充電器(50kW)で充電している様子

「寝ている間に充電」を経験できるのは、EVで旅行にでかけて、宿泊するホテルに普通充電器が備えてある場合です。このようなEVの充電は「目的地充電」といいます。そのようなホテルはまだまだ多くありませんが、自分はそのようなホテルを選んで予約を取ってます。

善光寺御開帳を見に行った際にチサングランド長野にて目的地充電している様子

要するに、この問題は本当は解決していないのですが考え方を変えればそれほど嫌でもなくなるというわけです。

車に乗っていないと自然放電してしまうのではないか?

これは自然放電というより、バッテリーの状態監視や、場合によってはバッテリー温度を適正に保つために温めたり冷やしたりするのに駐車中であっても電気を使うことがあるようです。テスラモデル3の場合、1日当たり1km走行分の電気が消費されていきます。

私のモデル3は満充電で574kmほどの走行距離ですのでこのぐらいの電気が使われるのは気にならなくなりました。つまり、それほど心配には及ばなかったということです。

無料で充電できることも太っ腹になれた理由だと感じます。

高速道路ではみるみる電気が減っていくのではないか?

これは2018年にプラグインハイブリッド車(PHV)のアウトランダーを一泊試乗したときに感じたことです。高速道路を走っているとバッテリーの残量がみるみる減っていったのです。

また、トヨタがハイブリッド車の利点を説明した際に「モーターは低速域が得意で、エンジンは高速域が得意。したがってハイブリッドは低速域ではモーターを主に使い高速域ではエンジンを使ういいとこ取りをしている」のような説明をしていたこともあります。

そういったこともあり、EVは高速が実は苦手でバッテリーがみるみる減るのでは?と不安に感じていました。

そもそもエンジンはある程度回転数が上がらないとトルクもパワーも出ないのですが、モーターは特性を自由に調整でき、EVでは回転数0でも最大トルクが出るようになってます。回転数0で最大トルクというのはとても乗りやすく、EVの大きな利点の一つだと思います。

じゃあ、EVは高速では力が出ないのか?というとまったくそんなことはありませんでした。どうも今までいらぬ不安をいだいていたようです。

ただ、エンジン車は高速上では燃費が良くなる傾向があるのに対して、EVはスピードが出ると1kW当たりの走行距離は縮みます。これは単純に高速で走ることによる空気抵抗増によるもののようです。

バッテリーが劣化してしまうのではないか?

初期のリーフではバッテリーが劣化してしまう問題が多発したようで、その手の記事はよく目にしました。

最近のEVにはバッテリーの劣化保証がつくようになり、例えば日産リーフではバッテリー容量を「8年160,000km」保証しています

テスラでも同様に8年もしくは車体ごとに16〜24万キロの劣化保証があります

なお、私のモデル3の場合、バッテリー劣化を極力おさえるため通常は容量の90%で充電が終了するようにすることが推奨されています。遠出のときだけ100%にするという運用です。

同じモデル3でも航続距離が短いスタンダードレンジプラスではニッケルやコバルトを用いないリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが用いられており、こちらでは普段から100%まで充電することが推奨されています。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーはエネルギー密度(つまり質量に対するバッテリー容量)が低いので日本のメーカーではほとんど採用されていませんが、価格や扱いやすさからは良い点があるようです。

車でスキーに行ったら戻ってこれないのではないか?

これはまだ分からないのです。とは言え、次のシーズンからテスラモデル3でスキーに行こうと考えており、タイヤはオールシーズンタイヤに履き替えようと考えてます。前述したように多分大丈夫だと思います。

なお、テスラモデル3ロングレンジはAWD(全輪駆動)であり、各タイヤと路面間で生じる駆動力(トラクションと言います)を4輪独立にきめこまやかにコントロールしているので雪道でのグリップは抜群のようです。このあたりに興味がある方は以下のYouTubeビデオを御覧ください。

テスラモデル3をローラーに乗せて脱出できるかのテスト

5. 最新の車はこんな感じ

さて、テスラモデル3はやはり先進の車だと思います。最近では中国のBYDや百度のEVがかなり先進的な機能を入れているようです。テスラモデル3を所有して個人的に良いと思った点をご紹介したいと思います。

キーを持ち歩かなくなった

最近の車はキーレスエントリーという名前で、キーをポケットに入れたまま一回も取り出さずに車のドアを開けたりエンジンを始動したりするものと思います。

一方、テスラモデル3の場合は、スマホにテスラアプリを入れてそれをキーの代わりにして運用している人が多いようです。

その場合、スマホをポケットに入れたままドアを開け、車に乗り込みます。ドアを開けるとドアミラーが開きます。スマホに触る必要はありません。

エンジンを始動することに該当する操作はありません。車に乗り込んだらブレーキペダルを踏みギアをD(ドライブ)に入れます。ギアを入れるとシートやハンドルのポジションおよびドアミラーの角度がスマホキーに登録された運転手に応じて調整されます。その後アクセルペダルを踏むとパーキングブレーキが自動的に解除され発進できます。

自分は車で出かけようとしてキーを忘れ部屋まで戻ることが年に1~2回ありましたが、モデル3にしてからキーを忘れることはなくなりました。これは便利だと思います。

パーキングブレーキをわざわざ解除する必要がないのも良いです。マークXでは解除せずに発進してしまったことが何回かあり、3.5Lエンジンはトルクがあるので発進できてしまうのですよ。その場合アラーム音が鳴るのでそこで「どうしたのかな?」となります。

車を降りる際はパーキングボタンを押すことでパーキングブレーキがかかり、降りやすいようにシートやハンドルが下がります。

自分は車を離れると自動的にすべての窓が閉じロックがかかるように設定しており、降りるときに車をロックする操作も行っていません。ロックがかかるとプッと短くホーンがなり、ドアミラーが折りたたまれます。

駐車場での自動駐車や自動呼び出し

アメリカでは駐車場の適当な位置で車を呼び出すと呼び出したところまで車が来てくれる機能があるようですが、日本では残念ながら提供されていません。なにか問題があったときどうするか?などの問題もありそうで、国交省がなかなか認可しないのかもしれません。

駐車場での自動呼び出しの様子

日本で提供されているのは、乗車しながら自動駐車する機能や、駐車スペースに入れてしまうとドアが開けられないような場所への出し入れを車外から行う機能までです。

ユーザーによる車庫への出し入れの実証実験デモ

とは言えこれらの機能もまだまだ気持ちよく動く状況ではないです。車外から動かす際はかなり慎重に動きますし。

自動運転

冒頭に記載したように自分がテスラ車を買ったのは自動運転機能に期待したからです。テスラ車は自動車専用道路用にレベル2の自動運転機能を提供しており、例えば高速道路では自動的にカーブを曲がり加減速も自動で行います。

自分は仙台の実家への行き帰りにこの機能を使っています。最初のうちは自分のライン取りとは別のライン取りが行われるので不安を感じましたがもうすっかり慣れてしまいました。例えば大きなトラックやトンネルの壁に対して自分は必要以上に間隔をあけていたようです。

自分のモデル3には自動運転中にウィンカーを出すと自動で車線変更をするオプションも付けています。もちろん周りの状況をモデル3が判断して、危険が無いことを判断した上で車線変更するわけです。これは本当に便利だと思います。国産車だと日産のプロパイロット2にも同様の機能があるようです。

テスラ以前は車で仙台に行くと神経を使ってとても疲れましたが、テスラモデル3にしてからは以前と比べてかなり楽になりました。

しかもテスラモデル3で仙台に行くのは新幹線で行くより安いんですね。何しろ燃費が安いのです。その代わり時間は食事休憩時間を含めて1時間半ぐらい余計にかかります。でも仙台でも車が使えるのは便利ですし、荷物がいくら多くても電車の乗り換えのたびに持ち運ばなくて済むので疲れ方も違います。

とは言え、新幹線ならビールも飲めますし眠れますし食事やトイレのために車両を止めなくても良いので新幹線には新幹線の良さがあります。

現状のテスラモデル3の自動運転はレベル2ですが、前述したようにテスラはレベル5の完全自動運転を提供することになってます。

以下のビデオは、完全自動運転で職場まで行き、運転手が降りたあとに空いている駐車スペースを車が自律的に探し出し縦列駐車するデモビデオです。このビデオは2016年に作られたコンセプトデモですが、現在ではアメリカである程度の自動運転機能が提供されていますので、このビデオに近いことがすでに提供されているものと思います。

完全自動運転と自動駐車のデモ

日本でもテスラが日本の道路や標識に十分対応し国交省が認可すればこのような機能が提供されるものと思います。いつになるかわかりませんが楽しみです。

ナビの行き先設定

自分はスマホのカレンダーをテスラモデル3と同期してますのでカレンダーの次の予定の場所がナビの行き先として自動的に設定されます。

また、GoogleマップやiPhoneのマップアプリから後述するテスラアプリに場所を渡すことで車のナビの行き先を指定することもできます。

もちろん音声で行き先を指定することもできます。

車のナビの行き先の指定は、スマホにナビをさせるのと同様とても簡単です。

音声操作

私が乗っていたマークXにも音声認識機能がありましたが、2009年頃の技術で作られており、誤認識だらけで実際には使い物になりませんでした。

テスラモデル3にも音声認識機能があり、ハンドルの右側のコントロールスイッチを押すことで音声認識待ちにすることができます。

テスラオーナーズマニュアルより

自分は当マンションの駐車場出入り口を当マンション名で登録し当マンション名を発声し自宅までのナビをさせてますが、それ以外に空調の調整、ワイパーやドアのロック等の車両の操作、音楽の再生関連などを音声で指示することができます。

目的地も音声で指示できます。誤認識は少なくマークXと比べると技術の進歩が大きいと実感できます。余談ですがテスラの場合、この手の音声認識の性能もアップデートにより向上していきます。

ワンペダル走行

テスラに限らずワンペダル走行が可能な車は増えつつあると思われます。ワンペダルにするのはペダルを戻したときに駆動用モーターを発電機として利用し電気を回収する仕組みを入れやすいからだと思います。

なお、駆動用モーターを発電機として利用することでブレーキをかけることを回生ブレーキと呼びます。エンジン車のエンジンブレーキと似ていますが、エンジンブレーキよりもかなり強力にブレーキがかかります。

テスラモデル3の場合は、走行中のブレーキのみならず、完全停止までワンペダルで操作できます。完全に停止すると物理的なブレーキが自動でかかり、ブレーキペダルが少し下がります。

とは言え従来のオートマ車のようにアクセルもブレーキも踏んでいないときに徐行で進むようにも設定できます。私は当初は徐行するようにしてましたがすぐに完全停止するようにしました。駐車場で駐車カードを受け取る場合にブレーキを踏み続けなくても良いのは便利です。

ドラレコ機能

テスラ車は自動運転用の8台のカメラのうち4台の映像、すなわち前後および右後ろと左後ろの映像をドラレコ映像としても利用しており、事故の衝撃があったときやクラクションを鳴らしたときに自動で録画したデータをロックして削除されないようにできます。また、センターコンソール上でドラレコアプリをタッチするとその時点までの10分間の映像をロックすることもできます。

電子ミラー的機能

テスラ車はバックミラーやドアミラーは鏡であり電子ミラーではありません。

とは言え上記の自動運転用カメラのうち後方と左右後方の映像を走行時に15インチのセンターコンソール画面に映し出すことができます。

後方と左右後方の映像をモニターに映し出している様子

また、ウィンカーを出した際に曲がる側の後方の映像を画面に自動的に表示する機能も数ヶ月前に追加されたようです。自分が納車された際にはすでにこの機能が追加されてましたが、こういう安全のための機能がどんどん追加されるのはさすがテスラ車だと思います。

甲州街道からみのわ通りに左折する際に左後方の映像が表示されている様子

スマホアプリ

スマホアプリではいつでも車の様子が確認できます。例えば車がロックされているかどうか?や、車の場所、車内温度、総走行距離、最近の充電の統計情報、車を制御しているソフトウェアのバージョンなども、車から離れた場所でもスマホアプリから確認できます。充電中であれば、どのくらいの電力で充電しているかや、充電終了までの時間がどのくらいかが確認できます。

iPhoneのテスラアプリ 左が駐車中、右が充電中

スマホアプリを使うと車をロックしたり、エアコンを入れたりもできます。車で出かける時刻が決まってればその時刻に合わせてエアコンを入れることもできますし、曜日ごとに決まった時間にエアコンを入れるようにもできます。

当マンションでは活用できませんが、深夜の電気代の安い時間帯に充電するようにスケジュールすることもできます。

また、アプリを通して「充電が終わった」とか「新しいアップデートが来ている」とか「社内温度が適温になった」などの通知が適宜来ます。スマートウォッチをしていればそちらにも通知が来ます。

これらの機能のために車のインターネット接続が必要ですが、テスラの場合はこのための通信費はテスラ社持ちで利用者の費用負担はありません。おそらく自動運転時の走行データ等を収集したいのでインターネット接続機能を無料で提供しているんだと思います。

この無料の通信機能のことをテスラはスタンダードコネクティビティと呼んでいます。それとは別に月額千円程度のプレミアムコネクティビティも提供されていますが、プレミアムコネクティビティは自分が使っていないこともありここでは説明を割愛します。

余談ですが、自分は長らくIT系企業でソフトウェア開発に従事していますが、この手のスマホアプリの出来はどうしても海外企業に軍配があがると考えています。その理由は業界人として理解できなくはないですが、テスラアプリもその例外ではなくよく出来ていると感じます。

6. おわりに

EV購入前は当マンションにEV充電器が無いことに不安を感じ、納車後は実際にEV充電器がないことで不便を感じていますが、その不便を補ってあまりがあるほどの楽しさがEVにはあり、結果的には良い買い物だったと思います。

また、充電が割安なことと高速道路での自動運転があることから、比較的遠くに行く際も車を使うようになりました。この夏にちょっとした用事があり北海道に行くのですが、その際も車で行こうと思ってます。どのホテルならEV普通充電器があり寝てる間に充電ができるか?や、どこで経路充電をしようか?などを楽しく思い悩んでます。

「自分の意思で自由にEV充電器を設置できる一軒家に住んでるなら迷わずEVを買えばいいのに」と私は思ってますが、マンションでも私のように外での充電がそれほど苦にならないのならEV購入は十分ありだと思います。

ちなみにEV充電器は一軒家であれば10万円前後で設置可能です。当マンションの周辺にもEV充電設備が設置してある家がぼちぼち出てきたようです。なお「EV普通充電器」ではなく「EV充電コンセント」であれば5万円ぐらいで設置できるようです。

パナソニックのEV充電コンセント (https://www2.panasonic.biz/jp/densetsu/haikan/elseev/EVplug.html より)

自分がEV乗りのため意識しているせいかもしれませんが、街でちょくちょくリーフを見かけるようになりましたし、テスラ車もリーフほどではありませんがそれなりに見かけるようになりました。軽自動車のEVである日産サクラとその兄弟車の三菱eKクロスEVは今年5/20の発表から3週間で合計14,400台の受注を達成し両社とも受注目標を上回ったとのことです。また、サクラの購買層は60代が最も多く、50代が続いているようです。

2021年の国内EV販売台数が2万台だったことを考えると、サクラとeKクロスEVの発売により国内でもEV化の流れが本格化するかもしれませんね。

高年齢層がサクラにひかれるのはおそらく私と同様ADASや自動運転を期待しているためと思いますが、サクラやeKクロスEVが納車され利用者が増えればそれらの機能がいかに便利で楽かが多くの人々に共有されていくものと思います。

EVを購入するのは不安ではありますが、自分にとって必要な航続距離があるのであれば購入は十分ありだと思います。私の場合は無充電で仙台へ行けるかやスキー場への往復ができるかがミソでした。

元気に車に乗れるうちに自動車のパラダイムシフトを自分で体験してみるのも悪くないのではないでしょうか?本稿が皆さんのご参考になれば幸いです。

kon について

IT業界に長年いました。今は引退してゆっくりしてます。
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